- 核融合発電は超長期テーマ(政府目標で2030年代発電実証・商用炉は2040年代以降)だが、ITER/JT-60SA/Tokamak Energy/CFS等への装置・部材納入は既に確定受注として発生中
- 日本企業の世界級ポジションは超伝導線材3強(フジクラ/古河電工/住友電工)/タングステン部材(住友電工アライドマテリアル)/等方性黒鉛(東洋炭素)/レーザー核融合(浜松ホトニクス)/ITER装置統合(三菱重工)に集中
- サプライチェーンを8階層(装置統合/超伝導/真空冷却/燃料/計測診断/高耐熱材料/ベンチャー連携/電源制御)に分解し、本命7/準本命8/関連4の19銘柄を位置づけ
- 各社の核融合事業の連結比率は現時点で0.1〜1%未満、超長期×期待先行の特殊投資テーマであることを明示
📖 はじめに — この記事で出てくる専門用語(クリックで開く)
- 核融合(フュージョン): 軽い原子核同士を融合させて重い核を作り、その質量差を巨大なエネルギーとして取り出す反応。太陽の中で起きている反応と同じ
- トカマク: ドーナツ型の磁場で高温プラズマを閉じ込める方式。ITER/JT-60SAが代表
- ステラレーター/ヘリカル: コイル形状を捻ることで磁場を作る方式。米Type One Energyや京都Helical Fusionが代表
- 慣性核融合(レーザー方式): 強力レーザーで燃料ペレットを瞬間圧縮して融合させる方式。米NIFと日本のEX-Fusion/浜松ホトニクス
- ITER: 国際熱核融合実験炉。仏カダラッシュで建設中、世界7極(日米欧露中韓印)が参加する世界最大の研究プロジェクト
- JT-60SA: 日欧共同の超伝導トカマク。茨城県那珂市で運転中、ITERの補完研究装置
- HTS(高温超伝導)/REBCO線材: レアアース系の高温超伝導線材。-269℃ではなく-200℃前後で超伝導状態になる新世代材料
- LTS(低温超伝導): ニオブ系の従来型超伝導線材。ITERのコイルに使用
- ダイバータ: 核融合炉内のプラズマ排気装置。超高温の粒子を受け止める部位で、タングステン部材が使われる
- ブランケット: 核融合炉内壁で、中性子を受け止めてエネルギー変換+トリチウム増殖を行う部位
- トリチウム: 重水素と並ぶ核融合燃料の一つ。三重水素
- ベリリウム: ブランケット材料やパルス中性子増倍材として使われる軽金属
- EPC(Engineering, Procurement, Construction): 設計・調達・建設を一括で請け負う事業形態
核融合発電とは — エネルギーの究極解の構造
核融合発電は太陽内部の反応を地上で再現する究極のエネルギー源。原料は海水中の重水素・リチウム由来トリチウムで実質無尽蔵、CO2排出ゼロ、暴走リスクなし、長寿命核廃棄物なし。商用化は2040〜50年代の超長期テーマだが、装置サプライチェーンの実需は既に発生している。
核融合は、軽い水素同位体(重水素・トリチウム)の原子核を融合させて重い核(ヘリウム)を作り、その質量差を質量エネルギー等価性(E=mc²)で取り出す反応である。太陽の内部で起きている反応と同じであり、エネルギー密度は化学反応(燃焼)の数百万倍に達する。
商用化を阻む技術ハードルは**「億度の高温プラズマを物理的に閉じ込める」点にあり、世界では大きく2方式が競争している。第一が磁気閉じ込め方式**(トカマク・ステラレーター・ヘリカル)で、強力な磁場でプラズマを長時間保持する。第二が慣性閉じ込め方式(レーザー核融合)で、強力レーザーで燃料を瞬間的に圧縮・点火する。いずれの方式でも、超伝導コイル・高耐熱材料・真空装置・計測診断システムといった共通インフラの納入が必要であり、日本企業はこれら各層で世界級ポジションを持つ。
商業炉の実現は2040〜50年代と見込まれるが、実証炉・実験炉への装置・部材納入は既に確定受注として発生しており、「商業化が来れば日本がサプライチェーンの中核になる」という構造的事実は既に確認可能な段階にある。
政府政策と市場規模
政府は2025年6月にフュージョンエネルギー・イノベーション戦略を改定し「2030年代の発電実証」を明記。J-Fusion(産業協議会)に上場主要企業が理事として参画している。
内閣府の統合イノベーション戦略推進会議は2025年6月4日にフュージョンエネルギー・イノベーション戦略の改定案を取りまとめ、「2030年代の発電実証」を時期明記した(初版2023年では時期未明示)。2025年9月には第1回社会実装検討タスクフォースが開催されている(出典: 内閣府CSTP・日経新聞2025-06-05、取得日 2026-05-27)。
産業界では**フュージョンエネルギー産業協議会(J-Fusion)**が設立され、上場理事企業として三井物産・三井不動産・NTT・IHI・三菱重工・INPEX・三菱商事・フジクラが参画している。
バリューチェーンの8階層分類
核融合発電プラントは膨大な装置・部材サプライチェーンの統合で成立する。本記事は8階層に分解し、各層で日本企業がどの位置を取るかを示す。
- L1 装置統合・トカマク本体・EPC: 真空容器・コイル統合・原型炉設計
- L2 超伝導コイル・REBCO/LTS線材: 強磁場発生の中核部品。日本が世界3強を独占
- L3 真空・冷却・低温装置: 真空チャンバー・クライオポンプ・低温装置
- L4 燃料(Be/T/D)関連: ベリリウム・トリチウム・重水素の精製・取扱
- L5 計測・制御・診断: プラズマ計測・レーザー核融合装置・反射鏡
- L6 高耐熱材料・第一壁: タングステン・等方性黒鉛・炭素複合材
- L7 ベンチャー連携・出資: 京都フュージョニアリング・EX-Fusion・CFS等への出資
- L8 周辺電源・電力系統・プラズマ制御: 大電流電源・コイル電源・プラズマ位置制御
関連銘柄 全19社 一覧
| コード | 銘柄 | 階層 | 役割・特徴 | 時価総額 | 分類 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7011 | 三菱重工業 | L1 | ITER TFコイル完成+ダイバータOVT量産受注 計58基 | 約12.8兆円 | 🟢本命 |
| 5803 | フジクラ | L2 | REBCO HTS線材を米CFSへ納入、56億円増産でFY28 6-8倍。世界3強 | 約8.3兆円 | 🟢本命 |
| 5801 | 古河電気工業 | L2 | ITER LTS線材+英Tokamak Energy向けHTS数百km、1,000万£出資。世界3強 | 約3.7兆円 | 🟢本命 |
| 5802 | 住友電気工業 | L2/L6 | アライドマテリアル製ITERダイバータ用タングステン世界TOP級納入 | 約9.3兆円 | 🟢本命 |
| 6965 | 浜松ホトニクス | L5 | 30年・累計100億円超のレーザー核融合R&D、EX-Fusionと世界初実証 | 約8,190億円 | 🟢本命 |
| 5310 | 東洋炭素 | L6 | 等方性黒鉛で世界トップシェア、CFC材料が炉壁材料に展開可能 | 約1,549億円 | 🟢本命 |
| 6503 | 三菱電機 | L8 | JT-60SA 世界最大「高速プラズマ位置制御コイル」完成(±2mm精度) | 約13.4兆円 | 🟢本命 |
| 7013 | IHI | L1 | J-Fusion理事、原型炉EPC候補 | 約2.9兆円 | 🔵準本命 |
| 6501 | 日立製作所 | L1 | ITER中性粒子ビーム入射装置100万V電源+ダイバータプロトタイプ認証 | 約23.3兆円 | 🔵準本命 |
| 1963 | 日揮ホールディングス | L1/L7 | 京都フュージョニアリング+米CFS社へCVCファンド出資 | 約6,436億円 | 🔵準本命 |
| 6728 | アルバック | L3 | クライオポンプCRYO-Uが核融合排気用途、ITER実績 | 約4,819億円 | 🔵準本命 |
| 5541 | 大平洋金属 | L4 | ベリリウム製造SU「MiRESSO」へ15億円出資、FY27生産開始予定 | 約390億円 | 🔵準本命 |
| 9227 | マイクロ波化学 | L4 | QSTと共同でマイクロ波加熱ベリリウム鉱石溶解に成功 | 約178億円 | 🔵準本命 |
| 4188 | 三菱ケミカルグループ | L6 | ダイバータ向け新規炭素複合材(2000℃超耐熱)共同研究開始 | 約1.5兆円 | 🔵準本命 |
| 1605 | INPEX | L7 | 京都フュージョニアリング・EX-Fusion・Helical Fusion 3社へ出資 | 約4.3兆円 | 🔵準本命 |
| 3446 | ジェイテックコーポレーション | L5 | EX-Fusionと次世代高性能反射鏡を共同開発、X線ミラー技術転用 | 約109億円 | ⚪関連 |
| 4205 | 日本ゼオン | L7 | 米Type One Energy(ステラレーター方式SU)へZeon Ventures投資 | 約4,147億円 | ⚪関連 |
| 5018 | MORESCO | L7 | 京都フュージョニアリング向け耐放射線性潤滑剤を共同開発 | 約188億円 | ⚪関連 |
| 4091 | 日本酸素ホールディングス | L3 | 大陽日酸ヘリウム再凝縮装置、極低温技術(NMR本流) | 約2.7兆円 | ⚪関連 |
核融合発電は商用化が2040〜50年代の超長期テーマで、各社の核融合事業の連結売上比率は現時点で0.1〜1%未満。実需(ITER/JT-60SA等)は既に発生しているが、業績インパクトは数十年スパンで段階的に拡大する構造。短期株価は政府戦略改定・首相発言等のテーマ買いで急変動するため、ファンダメンタルとは独立した値動きパターンを理解した上で接する必要がある。
🟢 本命: 世界級ポジション(超伝導3強/タングステンTOP/等方性黒鉛TOP/レーザー国内独走/ITER中核)+ 実需確定受注あり
🔵 準本命: 関連受注・出資・共同研究あり + 規模/位置づけが本命未満
⚪ 関連: 周辺(潤滑剤・反射鏡)・素材ベンチャー支援等の参画
🟢 本命(全7社)
三菱重工業(7011)
何をしている会社か: 国内最大級の重工業メーカーで、ITER装置統合の中核。原子力・防衛・宇宙・舶用エンジンなど全方位の重工製品を持つ。
ITER用トロイダル磁場(TF)コイル製作を完了(日本分担9基の中心)、ダイバータ「外側垂直ターゲット(OVT)」量産受注 計58基(2024年実機大プロトタイプ完成、2024年認証通過、2025年9月に追加20基受注)を獲得している(出典: QST ITER Japan News・三菱重工技報、取得日 2026-05-27)。核融合事業の連結比率は0.1%未満と極小だが、商用化後の原型炉EPC本命として「2030年代発電実証」の主要受注先候補。
フジクラ(5803)
何をしている会社か: 電線・光ファイバ・電子部品の総合メーカー。レアアース系HTS(高温超伝導)線材で世界3強の一角。
米Commonwealth Fusion Systems(CFS)へREBCO HTS線材を本命供給、Helical Fusionからも追加調達が決定している。2024年に6億円だった核融合用HTS設備投資を2026年2月に56億円増額、FY2027までに3-4倍、FY2028で6-8倍の生産能力を計画(出典: フジクラ2026-02 リリース・日経 2026-02-09、取得日 2026-05-27)。現時点の連結比率は0.5%未満だが、CFSの商業炉移行で急増する可能性を持つ。
古河電気工業(5801)
何をしている会社か: 古河グループの中核電線メーカー。超伝導線材で世界3強の一角、ITERにLTS線材を実績供給する。
ITER用ニオブ系LTS線材を日光事業所で製造、加えて英Tokamak Energy向けHTS線材数百km受注(2023-01)、Tokamak Energy社へ1,000万ポンド出資(2024-01)、2025-06日本共同活動拠点MoUを結んでいる(出典: 古河電工2024-01-18ニュースリリース、取得日 2026-05-27)。日経xTECH等で「核融合特需」の代表例として頻繁に取り上げられる。
住友電気工業(5802)
何をしている会社か: 住友グループの中核電線・素材メーカー。超伝導線材+子会社アライドマテリアルでタングステン部材を持つ二重布陣。
子会社アライドマテリアルがITER用ダイバータ向けタングステンモノブロック(2,300℃耐熱)を製造、2025-11時点で内側垂直ターゲット13基完納+外側30/58基進行中(出典: 住友電工2025-12-08プレス、取得日 2026-05-27)。粉末冶金で**「割れないタングステン」**を開発し、ITER設計要件の3倍の熱衝撃試験に合格している。超伝導線材分野でも世界3強の一角で、複数階層(L2 超伝導+L6 高耐熱材料)に同時に配置される稀な構造を持つ。
浜松ホトニクス(6965)
何をしている会社か: 光技術専業メーカー。レーザー核融合の事実上の日本代表で、1990年代から30年・累計100億円超のR&D投資を継続。
産業開発研究センター(2005年設立)で30人体制の研究を続け、2025年8月にEX-Fusionと共同で「世界初」民間1時間連続パルスレーザー照射(10J/20ns/10Hz)を実証、STARFIRE Hubに参画している(出典: Business Insider 2025-08・日経xTECH、取得日 2026-05-27)。慣性核融合(レーザー方式)の日本代表として、トカマク派閥(磁気閉じ込め)とは異なる技術系譜の主役を担う。
東洋炭素(5310)
何をしている会社か: 等方性黒鉛で世界トップシェアを持つ炭素素材メーカー。半導体・太陽光向けが主だが、核融合炉壁材料への展開可能性が高い。
CFC(炭素繊維強化炭素複合材)と高純度黒鉛は、核融合炉のプラズマ対向材として有望な候補材料。商用炉の壁材選定で本命候補に挙がる立ち位置にある。現時点で核融合事業の連結比率は開示されていないが、世界トップシェアの素材プレイヤーとして「商用化が来れば日本がサプライチェーンの中核」という構造を体現する代表例。
三菱電機(6503)
何をしている会社か: 重電・電装の総合電機メーカー。JT-60SA(茨城県那珂市)の世界最大級プラズマ制御装置を担当する。
2025年12月にJT-60SA向け世界最大「高速プラズマ位置制御コイル(FPPC)」を完成(直径8m銅製×2基、±2mm精度)させた。JT-60SAの超伝導コイル製作も担当している(出典: 三菱電機2025-12 PRTIMES・QST 2025-12-23、取得日 2026-05-27)。L8(電源・プラズマ制御)の中核プレイヤーで、トカマクのプラズマ位置制御は商業炉でも必須技術として継続的に進化する領域。
🔵 準本命(全8社)
IHI(7013)
何をしている会社か: 重工系の総合重機メーカー。J-Fusion理事として産業協議会に参画し、原型炉EPC候補として位置取り。連結ベースの直接的核融合関与情報は限定的だが、政府協議会の主要メンバーとして長期受注機会を持つ。
日立製作所(6501)
何をしている会社か: 総合電機の最大手。ITER用**中性粒子ビーム入射装置(100万V電源)**を製作中、2025-07にダイバータ外側垂直ターゲットのプロトタイプがITER認証合格(出典: 日立2025-07ニュース、取得日 2026-05-27)。三菱重工に次ぐ第二サプライヤーとして装置統合と素材の両面で関与する。
日揮ホールディングス(1963)
何をしている会社か: プラントEPC大手。CVCファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」経由で京都フュージョニアリングへ2022年・2023年に2回出資、2025-09に米CFS社へ日本コンソーシアムで出資参画。商用炉建設のプラントEPC視点で関与を厚くしている。
アルバック(6728)
何をしている会社か: 真空技術専業メーカー。クライオポンプCRYO-Uシリーズが核融合排気用途で採用、ITERクライオポンプ実績を持つ。半導体真空装置で培った極低温・真空技術を核融合に応用展開する構造。
大平洋金属(5541)
何をしている会社か: フェロニッケル製錬大手。2024-10にベリリウム製造SU「MiRESSO」と包括業務提携、2025-08に15億円出資(シリーズA計18.3億円の約8割)。八戸工場でBETAパイロットプラント稼働、FY2027ベリリウム生産開始を計画する。核融合燃料サプライチェーンの上流確保。
マイクロ波化学(9227)
何をしている会社か: マイクロ波加熱技術専業の研究開発型ベンチャー。2023-03にQSTと共同でマイクロ波加熱によるベリリウム鉱石溶解に成功、精製プロセスの簡素化を実証している。売上規模は小さいが核融合燃料関連で先端的位置。
三菱ケミカルグループ(4188)
何をしている会社か: 国内最大級の総合化学メーカー。2026-04に筑波大・東京理科大とダイバータ向け新規炭素複合材(2000℃超耐熱、高融点金属含浸)共同研究開始、タングステン代替を狙う。海外依存度が高いタングステンの代替素材開発は政府サプライチェーン戦略にも合致する。
INPEX(1605)
何をしている会社か: 国内最大の石油・天然ガス開発企業。京都フュージョニアリング・EX-Fusion・Helical Fusion 3社への出資検討/実行、J-Fusion理事。エネルギー会社視点での核融合関与は、化石燃料から長期エネルギー転換を見据えた戦略的ポジション。
⚪ 関連(全4社)
ジェイテックコーポレーション(3446)
何をしている会社か: X線ミラー技術の超小型ベンチャー。EX-Fusionと2024-12に技術提携、次世代高性能反射鏡を共同開発。X線ミラー技術をレーザー核融合の集光系に転用する独自路線。
日本ゼオン(4205)
何をしている会社か: 合成ゴム・特殊化学品メーカー。2024-11に米Type One Energy(ステラレーター方式核融合SU)へZeon Ventures経由で投資、素材供給を視野に入れる。
MORESCO(5018)
何をしている会社か: 神戸の化学材料メーカー。京都フュージョニアリングとフュージョンプラント向け耐放射線性潤滑剤の業務提携(開発・販売)。化学材料側からの核融合関与の代表例。
日本酸素ホールディングス(4091)
何をしている会社か: 産業ガス大手。子会社大陽日酸がヘリウム再凝縮装置・極低温技術を持つ(NMR向けが本流)。核融合関与は装置単位だが、極低温インフラの主要プレイヤー。
本命/準本命/関連 — 評価軸の考え方
本記事のランクは「世界級ポジションの有無 × 実需確定受注 × 連結関与度」の3軸で決定する。
核融合は全社で連結比率が極小(0.1〜1%未満)のテーマなので、連結比率では序列化できない。代わりに**「商用化が来れば確実に発注される位置を取っているか」**で判定する。本命7社は超伝導線材世界3強・タングステン世界TOP級・等方性黒鉛世界TOP・レーザー核融合R&D国内独走・ITER装置統合中核・JT-60SA電源中核といった「他に置き換えがきかない世界級ポジション」を持つ。準本命8社はJ-Fusion理事・出資・共同研究で関与は明確だが、世界級ポジションの強度ではやや劣る。関連4社は周辺(潤滑剤・反射鏡・素材ベンチャー支援)での参画。
投資家が継続観測すべき構造的指標
核融合発電の進捗は装置サプライチェーンの受注ストックと主要プロジェクトの実証マイルストンで評価する。短期株価はテーマ買いで急変動するため、長期投資判断は受注の積み上がりを追う。
- 各社の核融合関連受注高(IR開示) — フジクラ・古河電工・住友電工・三菱重工の受注ストック
- ITER主要マイルストン(プラズマ初点火・運転開始予定)— 世界全体の進捗指標
- JT-60SA運転状況(QST公開情報)— 国内拠点の進捗
- 米CFS・英Tokamak Energy・京都フュージョニアリングの資金調達・実証進捗 — ベンチャー側のマイルストン
- 政府フュージョンエネルギー戦略の改定(内閣府CSTP)— 政策時期目標・産業育成策の更新
- HTS線材の単価・出荷量推移(超伝導関連協議会)— L2世界3強の市況指標
- タングステン・等方性黒鉛・ベリリウム等の特殊材料市況 — L6素材プレイヤーの指標
このテーマの構造的リスク
核融合発電は超長期テーマで、ITER等の主要プロジェクトに大幅な工程遅延歴がある(当初2016年運開予定 → 2025年改定で大幅後ろ倒し)。商業化遅延・代替技術台頭(磁気閉じ込めvsレーザーの主役交代)・各国予算削減リスクは構造的に常に存在する。
加えて、テーマ材料での急騰・急落履歴が長く、政府戦略改定報道・首相発言・海外ベンチャー資金調達などのニュースで関連銘柄が急騰した過去がある(例: 2025年5月「政府30年代実証方針」報道で関連銘柄急反発)。ファンダメンタルとは独立した値動きパターンを持つテーマであることを理解した上で接する必要がある。
代替技術リスクとして、磁気閉じ込め(トカマク/ステラレーター/ヘリカル)とレーザー(慣性)で覇権争いが続いており、どれが商用化主役になるかは未確定。複数方式に分散して関与する企業(浜松ホトニクス・古河電工・住友電工)は技術リスクのヘッジ性を持つ。
- 核融合発電は政府目標で2030年代発電実証・商用炉は2040〜50年代の超長期テーマ、連結比率は現時点で0.1〜1%未満
- 本命7社の核は超伝導3強(フジクラ/古河電工/住友電工)+タングステン世界TOP(住友電工)+等方性黒鉛世界TOP(東洋炭素)+レーザー核融合(浜松ホトニクス)+ITER中核(三菱重工)+JT-60SA電源(三菱電機)
- 準本命8社+関連4社はEPC候補・出資・共同研究・周辺素材で関与は明確、商用化局面で本命格上げの構造的条件を満たす可能性
- 継続観測すべき構造指標: 各社核融合関連受注高 / ITER・JT-60SAマイルストン / 主要ベンチャー(CFS/Tokamak Energy/京都フュージョニアリング)の進捗 / 政府戦略改定 / HTS線材市況
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