この記事の要点
  • 高市政権が2025年度に防衛費GDP比2%を前倒し達成、令和8年度(2026年度)予算は8兆8,093億円。電子戦・C4ISR・GaNレーダーが稼ぎ頭に
  • 本命7社・準本命5社・関連4社を「事業比率・防衛省受注・世界級ポジション」で分類。重工(機体)系は本記事のスコープ外
  • 観測すべきは2026年中の3文書改定スケジュール・各社の防衛セグメント受注高伸び率・装備移転3原則5類型見直し
📖 はじめに — この記事で出てくる専門用語(クリックで開く)
  • C4ISR: 指揮統制(C2)・通信(C3)・コンピュータ(C4)・情報・監視・偵察を統合した軍事システム。戦場の「神経」にあたる。
  • 電子戦(EW): 電波を使って敵のレーダーや通信を妨害したり、自軍の電波を守ったりする戦い方。レーダー=空の目をどう潰すかの戦い。
  • レーダー: 電波を飛ばして跳ね返りで物体の距離・速度・方向を測る装置。空・海・宇宙の「目」。
  • AESA(アクティブ電子走査アレイ): 最新型レーダー方式。アンテナを物理的に回さず、電子的にビーム方向を変えるため反応が速い。
  • GaN(窒化ガリウム): シリコンより高出力・高効率・高温に強い半導体素材。レーダーや基地局の電力素子に使われる次世代材料。
  • GaAs(ヒ化ガリウム): GaNの一世代前の化合物半導体。高周波には強いがGaNより出力が劣る。
  • F-2/F-X/F-35: F-2は日本の現用戦闘機、F-Xは次期戦闘機(英伊と共同開発)、F-35は米ロッキード・マーティン製の最新ステルス戦闘機。
  • 衛星通信(X/Kuバンド): 軍用の安全な通信に使われる電波帯。Xバンドは妨害に強い軍用専用帯。
  • ソナー: 水中で音波を出して潜水艦や障害物を探す装置。レーダーの「水中版」。
  • EO/IRセンサ: 可視光(EO)と赤外線(IR)で標的を見つける光学センサ。夜間や悪天候でも標的を捉える「光の目」。
  • SiC(炭化ケイ素): GaN同様、シリコンより高耐圧・高効率の次世代パワー半導体。EVや防衛電源で使われる。
  • 3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画): 日本の防衛方針を定める3つの政府文書。2022年末に岸田政権が改定し、2026年中に再改定予定。
  • 装備移転3原則: 日本の防衛装備を海外に輸出するための政府ルール。5類型の見直しで輸出範囲が拡大しうる。
  • LRDR(長距離識別レーダー): 米ミサイル防衛用の超大型レーダー。富士通製GaN素子が採用されている。
  • EMC試験: 機器が電磁波を出し過ぎず、また受けても誤動作しないかを確かめる試験。電子装備の必須検査。

防衛エレクトロニクスとは — 産業構造と物理ボトルネック

結論

防衛費が増えると、「機体」ではなく「電子」が主役になる。装備が高度化するほど、搭載されるレーダー・通信・電子戦・指揮統制の比率が上がる構造で、三菱電機・NEC・富士通の電機3社が稼ぎ頭になる。

日本の防衛費は安保3文書(国家安全保障戦略+国家防衛戦略+防衛力整備計画=日本の防衛方針を定める3つの政府文書)でGDP比2%目標が明記されており、令和8年度(2026年度)防衛予算は歳出ベースで8兆8,093億円、23-27年度の5年累計で**43.5兆円(契約ベース)**という規模感で需要が構造化している。米国側からはGDP比3〜3.5%への引き上げ要求もあり、上振れ余地がある構造。

防衛装備品の高度化と消耗品化が進むほど、搭載されるエレクトロニクス・センサ・通信・電子戦の比率が上がる。電子戦(EW=電波で敵レーダーや通信を妨害する戦い)は主要国の優先投資領域で、世界EW市場は202億ドルから417億ドル(2025→2034年)へ2倍化する予測(Fortune Business Insights)。GaN AESAレーダー(=窒化ガリウム素子を使った最新型レーダー)の実用化と衛星通信網の大規模化が、防衛エレクトロニクス需要の構造的ドライバとなっている。

要点

防衛エレクトロニクスは「機体メーカー(三菱重工/川崎重工/IHI)とは別物」。三菱電機・NEC・富士通の電機3社+専業中小が、レーダー・指揮統制・電子戦・衛星通信という4つの稼ぎ頭をシェアする構造。本記事はこの電子側だけに絞る。

防衛エレクトロニクス市場の規模感

結論

電子側の市場は世界EW(電子戦)だけで2025年→2034年に2倍化、日本では三菱電機が2030年度に防衛事業6,000億円を計画する規模感。機体側の予算が増えても、伸び率は電子側の方が速い。

防衛省の調達実績では電気電子系の契約額は機体・武器系と並んで主要カテゴリを占め、三菱電機の防衛システム事業は2030年度に売上高6,000億円を目指す計画を会社側が公表している(日経報道、2025年)。NECは防衛・宇宙領域の人員を1,200人増強する方針を公表しており、富士通も防衛分野の受注が「ここ数年、非常に力強い」とCFOが語っている。世界EW、軍事用EO/IRセンサ、軍用衛星通信、軍用レーダーの全カテゴリで2030年代前半まで年率8-12%成長予測が並ぶ。

8.8兆円
令和8年度防衛予算(歳出ベース)
43.5兆円
23-27年度5年累計(契約ベース)
6,000億円
三菱電機 30年度防衛事業計画

関連銘柄 全16社 一覧

ランクの定義

🟢 本命: 防衛エレクトロニクスが主力事業 + 防衛省受注で寡占的ポジション + 構造的需要への直接受益
🔵 準本命: テーマで重要な位置 + 規模/事業比率は中程度 + 第3勢力 or 特定機能で強み
⚪ 関連: テーマに関与あり + 事業比率は限定 + ニッチ部材・周辺サポート

※ ランクは「テーマとの関与度・事業比率・世界シェア」で判定。株価騰落とは無関係。

コード銘柄役割主力ポジション時価総額分類
6503三菱電機GaN AESAレーダー・衛星通信・ミサイル誘導防衛省電機受注最大、30年度6,000億円計画13.1兆円🟢本命
6701NECC4ISR・Xバンド衛星通信・電子戦・海自ソナー指揮統制で国内最大、人員1,200人増強5.3兆円🟢本命
6702富士通防衛電子装置・GaN素子・防衛クラウドLRDR(米LM社)にGaN素子採用5.6兆円🟢本命
6946日本アビオニクス艦載情報表示・レーダー/ソナー信号処理防衛比率の高い専業電子メーカー884億円🟢本命
7721東京計器レーダー警戒・照準装置・艦艇航法警戒系・航法系で寡占ニッチ1,122億円🟢本命
6703沖電気工業海洋自衛のソナー・水中音響・センサ監視海自対潜水中音響で歴史的本命2,732億円🟢本命
6814古野電気艦載レーダー・ソナー・航空電子海洋電子の世界シェア企業2,035億円🟢本命
6501日立製作所艦艇装備・衛星画像・防衛サイバー規模は最大、事業比率では準本命21.7兆円🔵準本命
6754アンリツ電波計測・EMC試験・宇宙/防衛通信評価防衛装備の試験計測で必須インフラ5,425億円🔵準本命
6507シンフォニアテクノロジー防衛航空機向け発電・電源管理電源系で長期防衛省受注4,291億円🔵準本命
6965浜松ホトニクス赤外検出器・光半導体・暗視装置EO/IRセンサの世界級光素子7,708億円🔵準本命
6963ロームSiCパワー半導体(電源・モーター駆動)防衛電源系へのSiC普及で受益1.6兆円🔵準本命
5803フジクラ防衛・宇宙向け光ファイバ通信データセンター本業の傍ら防衛にも供給9.6兆円⚪関連
6838多摩川HD高周波無線機器・防衛精密モーター小型だが高周波で防衛省ニッチ受注136億円⚪関連
8093極東貿易航空宇宙・防衛向け光ファイバ商社商社経由で防衛装備電子部材を供給227億円⚪関連
3896阿波製紙電磁波シールドシート・航空宇宙CFRP電磁波対策素材で特殊ニッチ40億円⚪関連

🟢 本命(全7社)

三菱電機(6503)

何をしている会社か: 日本最大級の総合電機メーカー。家電からビル設備・宇宙衛星まで広く手掛けるが、防衛省向けレーダー・衛星通信・ミサイル電子で国内トップ。

防衛省の電機系受注で長年トップを走る本丸。F-2戦闘機のJ/APG-2 AESAレーダー(=アクティブ電子走査アレイ式の最新型レーダー)は送受信素子1,216個を窒化ガリウム(GaN)化し、従来GaAs(ヒ化ガリウム=GaNの一世代前の半導体素材)比で出力3倍を実現したGaN AESAレーダーの先駆。装備庁委託のGaN高出力レーダー試作機の実証試験を経て、防衛省から「次期防衛衛星通信の整備」を受注した実績を持ち、X/Kuバンド(=軍用や衛星通信に使われる電波帯)帯の指揮統制衛星通信を支える。防衛システム事業は2030年度に売上高6,000億円を計画(日経報道)。レーダー・衛星通信・ミサイル誘導電子の3本柱でカバー範囲が広く、防衛電子全体の代表銘柄。

NEC(6701)

何をしている会社か: 日本電気。ITサービス・通信機器の大手で、防衛分野ではC4ISR(=軍事情報統合システム)と海自ソナーで国内首位級。

C4ISR(指揮統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察=戦場の神経にあたる軍事情報統合システム)で国内最大。海上自衛隊のソナー(=水中で音波を使って潜水艦を探す装置)OQS-3、OQS-3AシリーズはNEC系列で開発されてきた歴史を持つ。次期Xバンド衛星通信ではスカパーJSAT+NECなどが組成したSPVが整備運営を落札し、NECは指揮統制の中核を担う(三菱電機が下請けに入る構造)。電子戦領域の専用機・地上電子戦システムにも参入。会社側は防衛・宇宙領域の人員を1,200人増強する方針を公表しており、防衛事業の規模拡大を組織的に裏付けている。

富士通(6702)

何をしている会社か: ITサービス国内最大手。防衛では通信基盤・防衛クラウド・GaN素子(レーダーの心臓部)で実績を持つ。

通信基盤・サイバー・防衛クラウドで強みを持つ電子側の本命。技術面ではロッキード・マーティンの長距離識別レーダー(LRDR=米ミサイル防衛用の超大型レーダー)に富士通製のGaN素子が採用された実績を持つ。マイクロ波パワーアンプ向けの世界最高効率GaN技術を発表しており、レーダー・通信両用の素子技術で国際的なポジションを築いている。会社側CFOは防衛分野の受注について「ここ数年、非常に力強く獲得している」と発言しており、システム+素子+クラウドの三層で防衛事業を構造的に拡大している。

日本アビオニクス(6946)

何をしている会社か: NECグループの専業電子メーカー。艦載の情報表示装置やレーダー/ソナー信号処理など防衛装備の電子部分を専門で作る。

防衛比率が高い専業電子メーカー。艦載の情報表示装置、通信システム、指揮統制装置、航空機搭載機器、レーダー/ソナー信号処理装置を主力とし、海自・空自向けの個別装備品で長年実績を積んでいる。本命7社の中では時価総額884億円と小型だが、事業ポートフォリオの中で防衛が占める比率が高く、防衛予算拡大の直接受益度では大手電機を上回る局面もある。

東京計器(7721)

何をしている会社か: 計測・制御機器の老舗メーカー。航空機の接近を察知するレーダー警戒装置や艦艇航法ジャイロで防衛省ニッチ寡占。

レーダー警戒装置・照準装置・艦艇航法の専業メーカー。航空機への接近を検知する警戒系や、艦艇のレーダー航法・ジャイロ航法(=回転軸の慣性で方位を測る装置による航法)といったニッチ領域で防衛省受注が継続している。時価総額1,122億円と中規模だが、警戒・航法ジャイロは外注先が限られるため長期受注の安定性が高い

沖電気工業(6703)

何をしている会社か: OKI。情報通信機器メーカーで、海上自衛隊の対潜ソナー(=潜水艦を音で探す装置)の歴史的本命。

海上自衛隊の対潜水中音響(ソナー・センサ監視)で歴史的本命。OQS-3シリーズの母体技術を含む水中音響技術を一貫して保持しており、艦載・潜水艦・対潜哨戒機の音響系で広く採用される。情報通信系の本業に加え、海洋防衛電子の準寡占ポジションを持つ。中国・北朝鮮の潜水艦動向で対潜重要度が再評価される文脈に直接ヒットする。

古野電気(6814)

何をしている会社か: 船舶向けレーダー・ソナー・GPSで世界トップシェアを持つ海洋電子の世界級メーカー。防衛では艦載電子で受注。

民生のレーダー・ソナー・GPS世界大手だが、艦載レーダーと航空電子で防衛省受注実績を持つ。海洋電子の量産技術が艦載装備の信頼性に直結し、海上保安庁・自衛隊向けの装備で安定したシェアを握る。海洋・航空の電子だけを切り出すと国内では数少ない世界級プレイヤー。

🔵 準本命(全5社)

結論

規模型(日立)・試験計測(アンリツ)・電源(シンフォニア)・光素子(浜ホト)・SiC半導体(ローム)。本命の脇を固める「機能寡占」5社が並ぶ。

日立製作所(6501)

何をしている会社か: 日本最大級の総合電機・ITサービスメーカー。防衛は全社売上の数%未満だが艦艇装備・衛星画像・防衛サイバーで参加。

時価総額21.7兆円と本記事中の最大級だが、全社売上に対する防衛比率は数%未満のため本命扱いではなく準本命。艦艇装備の電子系、衛星画像処理、防衛サイバーセキュリティを供給する。グループとして総合力は突出しているが、防衛単体で稼ぐ構造ではない。

アンリツ(6754)

何をしている会社か: 電波・通信を計測する試験器の専業大手。防衛装備の評価試験で必須の「裏方インフラ」を提供する。

電波計測・EMC試験(=機器が電磁波で誤動作しないかを確かめる試験)の専業大手。防衛装備の評価試験では電波・通信・スペクトラム計測が必須で、宇宙/衛星・防衛・航空・船舶など通信品質課題向けの計測ソリューションを提供する(アンリツ資料)。装備の高度化が進むほど試験計測の量と質が増す構造で、装備需要に対する裏方インフラとして恩恵を受ける。

シンフォニアテクノロジー(6507)

何をしている会社か: 旧神鋼電機。航空機・防衛機の電源系で長期の防衛省受注を持つ電源系ニッチメーカー。

防衛航空機向け発電システム・電源管理で長期の防衛省受注を持つ。航空機搭載発電機・地上支援電源など、機体メーカー(重工系)に組み込まれる電源系で寡占ニッチを形成。電子化が進むほど電力需要が増す構造的受益。

浜松ホトニクス(6965)

何をしている会社か: 光半導体・光センサの世界級メーカー。防衛では暗視装置・EO/IR(=可視光+赤外線)センサに使われる光素子で受益。

赤外検出器・光半導体・SiPM(=シリコン光電子増倍管。微弱な光を電気信号化する素子)の世界級メーカー。EO/IRセンサ(=可視光+赤外線で標的を探す光学センサ=光の目)・暗視装置・レーザー誘導の光素子で防衛装備に部材として組み込まれる。事業全体に占める防衛比率は限定的だが、軍用EO/IRシステム市場の世界拡大で光素子の量が伸びる。

ローム(6963)

何をしている会社か: 半導体メーカー。SiC(=シリコンより高耐圧の次世代パワー半導体)で世界級。防衛電源のSiC化で受益。

SiC(炭化ケイ素=シリコンより高電圧・高温に強い次世代パワー半導体)パワー半導体の世界級メーカー。防衛装備の電源・モーター駆動でSiC化が進むほど直接受益。EV/再エネ向けの大量需要が本業の柱だが、防衛・宇宙の高信頼SiCも応用先として構造的に拡大する領域。

⚪ 関連(全4社)

結論

光ファイバ・高周波無線・電磁波シールドなど、装備の電子化が進むほど間接的に伸びる「裾野素材・部材」4社。事業比率は小さいが代替が効きにくいニッチを持つ。

フジクラ(5803)

何をしている会社か: 光ファイバ・電線の大手。データセンター本業の傍ら、防衛・宇宙向けの光ファイバ通信も供給する。

データセンター・通信向け光ファイバの本業の傍ら、防衛・宇宙向け光ファイバ通信も供給する。本記事のスコープでは事業比率が小さい関連枠だが、グループとしては防衛装備関連の救命胴衣・落下傘なども納入する裾野の広さがある。

多摩川HD(6838)

何をしている会社か: 多摩川ホールディングス。高周波無線機器と精密モーターの小型ニッチメーカーで、防衛省からのニッチ受注を持つ。

時価総額136億円の小型株で、高周波無線機器で防衛省ニッチ受注。精密モーターも保有し、防衛・航空電子の周辺機能で関与する。

極東貿易(8093)

何をしている会社か: 専門商社。航空宇宙・防衛向けの光ファイバなど海外メーカーの電子部材を日本に流すルートを持つ。

航空宇宙・防衛向け光ファイバを扱う商社。海外メーカーの防衛装備部材を国内に流すルートを持ち、装備電子のサプライチェーンで脇役ポジション。

阿波製紙(3896)

何をしている会社か: 特殊紙メーカー。電磁波を遮るシールドシートや航空宇宙用CFRPで防衛装備に間接的に組み込まれる小型ニッチ。

電磁波シールドシート(=電磁波を遮る特殊シート)と航空宇宙向けCFRP(=炭素繊維強化プラスチック)を製造する小型ニッチ。電子戦装備の電磁波対策素材として供給され、装備の電子化進展で間接的に受益する。時価総額40億円と小型だが他社代替が効きにくいニッチ素材。

本命は機体ではなく電子。GaN・C4ISR・電子戦が防衛費上振れの主戦場

投資家が継続観測すべき構造的指標

観測ポイント

「予算が増えたか」だけ追うと電子側の動きを取りこぼす。大手電機3社のセグメント別受注高伸び率3文書改定の具体内容が、エレクトロニクスへの配分を決める2つの先行指標。

  • 大手電機3社(三菱電機/NEC/富士通)の四半期防衛セグメント受注高 — 機体側予算が増えても、電子側の受注が同じ速度で伸びるかは別問題
  • 3文書改定で「電子戦」「サイバー」「宇宙」の優先順位がどう書き込まれるか — 改定のたびに電子系への配分シフトが加速する構造的指標
  • 装備移転3原則の5類型見直し進捗 — 完成装備の輸出解禁範囲が広がれば、電子系装備の海外売上機会が増す
  • 米国側の対日防衛費要求(GDP比3-3.5%)への日本側回答 — 上振れ時は電子系が比率的に最も伸びやすい構造
  • F-X(次期戦闘機)の機体側英伊共同開発進捗 — 機体は重工だが、搭載電子は本記事銘柄群が直接受益

このテーマのリスクと制約

注意

防衛は予算と政策で動く市場。財源論で歳出ベースの拡大ペースが鈍化すれば、受注タイミングが後ずれする。装備輸出も相手国の政治情勢で止まりうる。短期では政策イベントごとに上下が大きい。

防衛予算の執行は政府支出全体の中で「財源」が論点になりやすく、増税・国債発行・既存予算の組み替えのどれを取るかで実際の歳出ペースが揺れる。電子系は機体に比べてリードタイムが短い分、予算の影響が即時に出る一方で、政策の優先順位変更も即時に効く両刃。さらに構造的には、米国製装備(イージスSPY-7など)を輸入する選択肢が拡大すれば、国内電子メーカーの受注機会が削られる側面もある。本記事の銘柄群は防衛事業比率がそれぞれ異なるため、防衛単体のテーマで動くというよりは「業績全体の中の防衛比率と、政策上振れの組み合わせ」で判断する必要がある。

要するに
  • 防衛エレクトロニクスは「機体」とは別市場。電子戦・GaNレーダー・C4ISR・衛星通信が稼ぎの核
  • 本命7社は三菱電機・NEC・富士通の電機3強+専業4社(日本アビオニクス・東京計器・沖電気・古野)
  • 準本命5社は規模型(日立)・試験計測(アンリツ)・電源(シンフォニア)・センサ(浜ホト)・SiC(ローム)
  • 読者がやるべきこと: 大手電機3社の防衛セグメント受注高+3文書改定内容を四半期で追う

※ 関連記事: HBM/CoWoSパッケージング関連株光通信(シリコンフォトニクス)関連株