この記事の要点
  • 3,400銘柄から候補を5分で絞り込む実務的な手順を 7つのプリセット条件 として整理
  • 王道バリュー / 高配当安定 / GARP / 上方修正の癖 / モメンタム / 踏み上げ / 四半期改善 の7パターン
  • スクリーニングは「分析の出発点」であって「買いの結論」ではない。ここから個別銘柄を深掘りする

なぜスクリーニングが必要か

東証に上場している銘柄は約3,800。このうちプライム・スタンダード・グロース市場で一定の流動性がある銘柄だけでもFundabaseには3,400銘柄以上が収録されている。

すべての銘柄を一つひとつ分析するのは物理的に不可能だ。だからこそ、定量的な条件でフィルタリングし、分析すべき候補を効率的に絞り込むスクリーニングが重要になる。

3,400+
Fundabase収録銘柄数
8分類
スクリーニング指標カテゴリ
7
本記事のプリセット条件

Fundabaseスクリーナーの基本

スクリーナーでは、以下の指標でフィルタリングできる:

  • バリュエーション: PER、PBR、修正込みPER
  • 収益性: ROE、ROA、営業利益率
  • 配当: 配当利回り、連続増配年数
  • 成長性: 売上成長率、QoQ営業利益成長率
  • モメンタム: 1週間〜12ヶ月の株価騰落率
  • リスク: ボラティリティ、自己資本比率
  • 需給: 信用倍率、空売り残高比率、空売り機関数
  • 規模: 時価総額

各指標にはスライダーで最小値・最大値を設定できる。条件はAND(すべて満たす)で絞り込まれる。

実践: 7つのスクリーニング条件

1. 王道バリュー株

堅実な業績で割安に放置されている銘柄を探す。

条件設定値
PER5〜15倍
PBR0.5〜1.5倍
ROE8%以上
配当利回り2.5%以上

低PER × 高ROE = 利益効率が良いのに安い銘柄。配当利回りの下限を設けることで、株主還元の意志がある企業に絞る。

2. 高配当安定株

長期保有で配当収入を積み上げる。

条件設定値
配当利回り3.5%以上
連続増配年数5年以上
自己資本比率40%以上
ボラティリティ30%以下

連続増配の実績がある銘柄は減配リスクが低い。自己資本比率とボラティリティの条件で財務の安定性を担保する。

3. 成長割安株(GARP)

成長率が高いのにPERが適正 —— Growth At Reasonable Price。

条件設定値
売上成長率10%以上
PER5〜20倍
ROE10%以上
営業利益率8%以上

成長率が高くてもPERが低い銘柄は、市場がその成長を過小評価している可能性がある。営業利益率の条件で「安売りで売上を伸ばしているだけ」の銘柄を除外。

4. 上方修正の癖がある割安株

毎年のように上方修正を出す企業の「見かけのPER」は実態より高い。

条件設定値
PER5〜20倍
上方修正率60%以上

上方修正率60%以上とは、過去のデータで6割以上の確率で上方修正している銘柄。こういう銘柄の会社予想は保守的なので、実質PERはさらに低い。修正込みPERランキングと併用すると効果的。

5. モメンタム銘柄

上昇トレンドに乗っている銘柄を探す。

条件設定値
3ヶ月モメンタム10%以上
1週間モメンタム0%以上
ROE8%以上

3ヶ月で10%以上上昇しており、直近1週間もプラスを維持している銘柄。ROEの下限で業績の裏付けがないモメンタムを除外。

6. 踏み上げ候補

空売り残高が積み上がっている銘柄の逆張り。

条件設定値
信用倍率0〜1倍
空売り残高1%以上
PER5〜20倍

信用倍率1倍以下は売り残が買い残を上回っている状態。ここに割安感(PER条件)を加えることで、「不当に売り込まれている」可能性がある銘柄を探す。

7. 四半期改善銘柄

直近の四半期で業績のターンアラウンドが見え始めた銘柄。

条件設定値
QoQ営利率変化1pt以上
QoQ増収率0%以上
PER5〜25倍

四半期ベースで営業利益率と売上がともに改善している銘柄は、業績のボトムを脱した可能性がある。増収増益のトレンドが始まったばかりなら、まだ株価に織り込まれていない。

スクリーニング結果をどう使うか

要点

スクリーニングは 「分析の出発点」 であり、「買いの結論」ではない。条件にヒットした銘柄から、個別ページの業績推移・適時開示・需給を確認して初めて意思決定材料になる。

  1. スクリーナーで20〜30銘柄に絞る
  2. 個別銘柄ページで業績・財務・配当の推移を確認する
  3. 直近の決算短信や適時開示を読む
  4. バリュエーションが正当化できるか判断する
  5. 買いタイミングは株価チャートと需給(空売り・信用倍率)で判断する
注意

条件を 緩めすぎても厳しすぎても 機能しない。緩いと500件超になり選別が回らず、厳しすぎると0件になる。20-30件に着地する条件設定がスクリーニングの実用域。

スクリーニング条件はスクリーナーの「条件を保存」機能で保存できる。お気に入りの条件を作って、定期的にチェックする習慣をつけるとよい。

要するに
  • 3,400銘柄から数分で20-30件に絞る7つのプリセット条件を覚える
  • 王道バリュー・高配当・GARP・上方修正の癖・モメンタム・踏み上げ・四半期改善の使い分け
  • スクリーニング結果は出発点。個別銘柄の業績・適時開示・需給で意思決定する