なぜスクリーニングが必要か

東証に上場している銘柄は約3,800。このうちプライム・スタンダード・グロース市場で一定の流動性がある銘柄だけでもKABUDOには3,400銘柄以上が収録されている。

すべての銘柄を一つひとつ分析するのは物理的に不可能だ。だからこそ、定量的な条件でフィルタリングし、分析すべき候補を効率的に絞り込むスクリーニングが重要になる。

KABUDOスクリーナーの基本

スクリーナーでは、以下の指標でフィルタリングできる:

  • バリュエーション: PER、PBR、修正込みPER
  • 収益性: ROE、ROA、営業利益率
  • 配当: 配当利回り、連続増配年数
  • 成長性: 売上成長率、QoQ営業利益成長率
  • モメンタム: 1週間〜12ヶ月の株価騰落率
  • リスク: ボラティリティ、自己資本比率
  • 需給: 信用倍率、空売り残高比率、空売り機関数
  • 規模: 時価総額

各指標にはスライダーで最小値・最大値を設定できる。条件はAND(すべて満たす)で絞り込まれる。

実践: 7つのスクリーニング条件

1. 王道バリュー株

堅実な業績で割安に放置されている銘柄を探す。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | PER | 5〜15倍 | | PBR | 0.5〜1.5倍 | | ROE | 8%以上 | | 配当利回り | 2.5%以上 |

低PER × 高ROE = 利益効率が良いのに安い銘柄。配当利回りの下限を設けることで、株主還元の意志がある企業に絞る。

2. 高配当安定株

長期保有で配当収入を積み上げる。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | 配当利回り | 3.5%以上 | | 連続増配年数 | 5年以上 | | 自己資本比率 | 40%以上 | | ボラティリティ | 30%以下 |

連続増配の実績がある銘柄は減配リスクが低い。自己資本比率とボラティリティの条件で財務の安定性を担保する。

3. 成長割安株(GARP)

成長率が高いのにPERが適正 —— Growth At Reasonable Price。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | 売上成長率 | 10%以上 | | PER | 5〜20倍 | | ROE | 10%以上 | | 営業利益率 | 8%以上 |

成長率が高くてもPERが低い銘柄は、市場がその成長を過小評価している可能性がある。営業利益率の条件で「安売りで売上を伸ばしているだけ」の銘柄を除外。

4. 上方修正の癖がある割安株

毎年のように上方修正を出す企業の「見かけのPER」は実態より高い。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | PER | 5〜20倍 | | 上方修正率 | 60%以上 |

上方修正率60%以上とは、過去のデータで6割以上の確率で上方修正している銘柄。こういう銘柄の会社予想は保守的なので、実質PERはさらに低い。修正込みPERランキングと併用すると効果的。

5. モメンタム銘柄

上昇トレンドに乗っている銘柄を探す。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | 3ヶ月モメンタム | 10%以上 | | 1週間モメンタム | 0%以上 | | ROE | 8%以上 |

3ヶ月で10%以上上昇しており、直近1週間もプラスを維持している銘柄。ROEの下限で業績の裏付けがないモメンタムを除外。

6. 踏み上げ候補

空売り残高が積み上がっている銘柄の逆張り。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | 信用倍率 | 0〜1倍 | | 空売り残高 | 1%以上 | | PER | 5〜20倍 |

信用倍率1倍以下は売り残が買い残を上回っている状態。ここに割安感(PER条件)を加えることで、「不当に売り込まれている」可能性がある銘柄を探す。

7. 四半期改善銘柄

直近の四半期で業績のターンアラウンドが見え始めた銘柄。

| 条件 | 設定値 | |------|--------| | QoQ営利率変化 | 1pt以上 | | QoQ増収率 | 0%以上 | | PER | 5〜25倍 |

四半期ベースで営業利益率と売上がともに改善している銘柄は、業績のボトムを脱した可能性がある。増収増益のトレンドが始まったばかりなら、まだ株価に織り込まれていない。

スクリーニング結果をどう使うか

スクリーニングは「分析の出発点」であり、「買いの結論」ではない。

  1. スクリーナーで20〜30銘柄に絞る
  2. 個別銘柄ページで業績・財務・配当の推移を確認する
  3. 直近の決算短信や適時開示を読む
  4. バリュエーションが正当化できるか判断する
  5. 買いタイミングは株価チャートと需給(空売り・信用倍率)で判断する

スクリーニング条件はスクリーナーの「条件を保存」機能で保存できる。お気に入りの条件を作って、定期的にチェックする習慣をつけるとよい。